
寒い季節も安心!冬の倉庫内での防寒対策と服装選び
2025.11.10
冬が近づくと、倉庫で働くスタッフにとって気になるのが「寒さ対策」です。
屋内とはいえ、倉庫は広く天井が高いため暖房が効きづらく、
外気の影響を受けやすい環境です。
特に出入り口が頻繁に開閉される物流倉庫では、外の冷気が流れ込みやすく、
作業中に体が冷え切ってしまうことも少なくありません。
本記事では、冬の倉庫内作業を快適かつ安全に行うための防寒対策と
服装選びのポイントを詳しく解説します。
これから冬本番を迎える前に、しっかり準備しておきましょう。
■ 倉庫内が冷えやすい理由
まず、なぜ倉庫は「寒い」と感じやすいのでしょうか。
その理由はいくつかあります。
広い空間に暖房が効きづらい
倉庫は天井が高く、広い空間を持つため、
一般的な暖房設備では全体を温めることが困難です。
温かい空気は上にたまり、作業スペースの足元は冷えたままになりがちです。
出入り口やシャッターの開閉が多い
トラックの積み下ろしや荷物の搬入出が頻繁に行われるため、
外気が入り込みやすい環境です。
特に冷たい風が吹き込む場所では、作業中も寒気を感じやすくなります。
床面からの冷気
コンクリートの床は冬場に冷え込みやすく、
長時間立ち作業をしていると足元から体が冷えてしまいます。
これらの要因が重なり、倉庫内では体の芯まで冷えるような寒さを感じることがあります。
そのため、単に「厚着をする」だけではなく、効率的な防寒対策が欠かせません。
■ 基本の防寒対策:体を冷やさないための3つのポイント
倉庫作業における防寒の基本は、次の3つのポイントを押さえることです。
1. 体温を逃がさない「重ね着」
倉庫作業では、動きやすさを確保しながら防寒する必要があります。
おすすめは、3層構造のレイヤリングです。
インナー(肌着)層:吸湿発熱素材や速乾性素材を選び、汗をかいても冷えにくく。
→ 例:「ヒートテック」「ブレスサーモ」など。
ミドル(中間)層:保温性のあるフリースや薄手の中綿ジャケット。
→ 体の熱を逃がさず、軽くて動きやすい素材を。
アウター(外層):防風・防寒性に優れたジャンパーやブルゾン。
→ ナイロンやポリエステル素材が風を防ぎ、作業中も快適。
この3層をうまく組み合わせることで、温度調整がしやすくなり、
寒さにも動きやすさにも対応できます。
2. 足元を冷やさない工夫
倉庫内で最も冷えるのが「足元」です。
コンクリートの床は冷たく、熱を奪いやすいので、以下の工夫が効果的です。
厚手の靴下を重ね履きする(ウール素材がおすすめ)
インソール(中敷き)を防寒タイプに変更する
防寒ブーツや安全靴を使用する(滑り止め付きで安全性もアップ)
特におすすめは、断熱インソールや中綿入りの安全靴。
足裏からの冷気を防ぎつつ、安全性を確保できます。
3. 首・手首・足首の「3つの首」を温める
人の体は、「首・手首・足首」から熱を失いやすいと言われています。
これらをしっかり守ることで、全身の冷えを防ぐことができます。
首:ネックウォーマーや薄手のマフラーで保温
手首:袖口をしっかり閉じる、手袋の中に薄手のインナーグローブを重ねる
足首:長めの靴下や足首まで覆う防寒パンツを着用
「3つの首」を温めることで、体感温度が2〜3℃上がるとも言われています。
■ 作業内容に合わせた服装選びのポイント
倉庫といっても、作業内容によって最適な服装は異なります。
ここでは、主な作業タイプごとに服装選びのポイントを紹介します。
● ピッキング・仕分けなどの軽作業系
体を動かすことが多いため、汗をかきやすい作業です。
そのため、通気性と吸湿発熱性のバランスが重要です。
・インナーは「吸汗速乾+発熱タイプ」
・上着は軽めの中綿ジャケットまたはストレッチフリース
・動きやすいストレッチパンツを選ぶ
作業中は温まりやすくても、休憩時に冷えることがあるため、
着脱しやすい防寒ベストを1枚持っておくと便利です。
● フォークリフト作業などの運転系
座っている時間が長く、風が当たる環境では下半身の冷えが気になります。
裏起毛パンツや防寒ズボンを着用
防風性の高いアウターで冷気をカット
座面が冷えやすい場合は、クッションタイプの防寒シートを利用
また、フォークリフトの操作では手の感覚も重要なので、
グリップ力のある防寒手袋を選ぶのがポイントです。
● 冷凍・冷蔵倉庫での作業
冷凍倉庫ではマイナス温度の環境での作業になるため、専用の防寒ウェアが必須です。
・断熱性の高い防寒スーツ(上下セット)
・防寒ブーツ・防寒手袋・フェイスマスクなどの完全装備
・インナーには発熱素材+吸湿性の高いものを選ぶ
冷凍庫作業は体への負担が大きいため、こまめな休憩と温かい飲み物の摂取も大切です。
■ 安全面も忘れずに!防寒と同時に守るべきポイント
防寒対策を優先するあまり、安全性を損なうことがないよう注意しましょう。
以下の点を意識することが重要です。
・服装は動きやすく、引っかからないものを選ぶ
・手袋は滑りにくい素材を選び、作業効率を落とさない
・フード付きの上着を着る場合は、視界を遮らないよう注意
・電熱ベストなどを使用する場合は、バッテリーの安全性を確認
防寒と安全の両立が、快適な冬の倉庫作業のカギです。
■ 現場で実践できる「小さな工夫」
服装だけでなく、作業環境にもひと工夫を加えることで、寒さを和らげることができます。
休憩所を暖かく保つ:暖房器具や温かい飲み物を常備
カイロを活用:腰やお腹、足の甲などに貼ると効果的
ストレッチを取り入れる:休憩ごとに軽く体を動かし、血行を促進
チームで声かけ:寒さによる集中力低下を防ぐため、お互いに体調確認を行う
これらを習慣化することで、作業効率も安全性も高めることができます。
■ まとめ:冬でも快適な倉庫環境をつくるために
冬の倉庫作業は、気温の低さだけでなく、
体の冷えによるパフォーマンス低下やケガのリスクも伴います。
しかし、適切な服装選びと防寒対策を行えば、快適かつ安全に作業を続けることができます。
・重ね着で温度調整をしやすくする
・足元と「3つの首」を重点的に保温
・作業内容に合わせた服装を選ぶ
・防寒と安全性のバランスを取る
この冬は、「寒さを我慢する」ではなく、「快適に働ける防寒対策」を実践してみましょう。
体を守る工夫は、生産性の向上にもつながります。
