
動きやすさと安全性を両立する ― 倉庫作業に最適な服装とは?
2025.12.15
倉庫での作業は、ピッキング・仕分け・梱包・棚入れ・フォークリフト操
作など、多様な動きが求められる現場です。
立ち仕事が中心で、一日中歩き回ることも珍しくありません。
そのため、倉庫作業に従事するスタッフにとって**「服装選び」は
作業効率と安全性を大きく左右する重要な要素**です。
とはいえ、初めて物流現場で働く人にとっては、
・どんな服装がいいの?
・動きやすいだけでなく、安全性も重要って本当?
・夏や冬はどう対策すればいい?
・派遣スタッフでも規則があるの?
など、疑問も多いはずです。
本記事では、倉庫で働くスタッフが快適かつ安全に作業するために
必要な最適な服装のポイント、そして季節別の対策・NG事例まで、
現場目線で詳しく解説します。
■ 倉庫作業で“服装が重要”な理由
物流現場では、作業効率と安全性が求められるだけでなく、予測できない動きも発生します。
服装が適していないと、以下のような問題につながりかねません。
● 動きにくさから生産性が低下
服が引っ掛かる、汗でベタつく、靴が滑る…。
こうした不快感は集中力の低下を招き、作業効率に影響します。
● 事故のリスクが上がる
袖口が機械に巻き込まれる、フードが引っ掛かる、靴底が滑るなど、
衣服が原因で事故が起こるケースも珍しくありません。
● 長時間の作業による疲労が増える
身体に合わない服や靴で作業をすると、疲労が蓄積し、
ミスや怪我の原因になります。
こうした理由から、倉庫作業の服装には明確な基準があります。
次項からは具体的に解説していきます。
■ 倉庫作業に最適な「基本の服装」
まずは、どの倉庫でもほぼ共通する“基本の服装”を紹介します。
1. 動きやすく、丈夫なトップス
倉庫作業では「腕を上げる・伸ばす・かがむ」などの動作が多いため、
ストレッチ性のある素材が理想的です。
おすすめのトップス
・ポロシャツ(速乾・伸縮性あり)
・機能性Tシャツ(吸汗速乾・軽量)
・長袖の作業シャツ(安全性高め)
避けたほうがいい服装
・フード付きパーカー(引っ掛かりリスク)
・ボタンやアクセサリーが多い服
・だぼついた服装(巻き込みの危険)
◎ポイント:長袖を推奨する現場も多い
擦り傷・切り傷・日焼けを防げるため、
肌の露出を避ける方が安全性が高く、企業側が長袖を推奨しているケース
も多いです。
2. 動きやすく耐久性のあるパンツ
トップスと同じく、パンツも動きやすさが必須。
おすすめのパンツ
・ストレッチ作業ズボン
・カーゴパンツ(ポケットが便利)
・ジャージ素材のワークパンツ
避けたいパンツ
・ダメージジーンズ(破れやすく安全性が低い)
・ワイドパンツ(裾の引っ掛かりが危険)
・極端に短いハーフパンツ(安全性に難あり)
倉庫によっては“ジーンズ禁止”の現場もありますので、派遣スタッフは事前確認が重要です。
3. 安全性の高い靴(これが最重要)
倉庫作業の必須アイテムが安全靴です。
特に、重量物を扱う倉庫やフォークリフトが走る現場では必ず必要となります。
おすすめの靴
・樹脂先芯または鋼先芯入りの安全靴
・滑りにくいソールの作業靴
・軽量タイプの安全スニーカー
避けたい靴
・クロックスなどのサンダル類
・かかとのないスリッポン
・革靴(滑りやすく作業に不向き)
靴は、一日の疲労度を大きく左右する最重要アイテムなので、
少し良いものを選ぶのがおすすめです。
4. 軍手 or 作業用グローブ
倉庫内では荷物の摩擦や段ボール紙の切り傷がよくあります。
そのため、多くの現場では手袋の着用が推奨されています。
おすすめの手袋
・滑り止め付き軍手
・薄手の作業用グローブ
・通気性の高いニトリルグローブ
避けたい手袋
・厚手すぎる軍手(細かい作業がしづらい)
・指ぬき手袋(安全性に欠ける)
5. 防寒・防暑対策(季節によって必須)
倉庫は外気温に左右される環境が多く、季節ごとに快適な服装が異なります。
以下では季節別に詳しく解説します。
■ 季節別:倉庫作業の最適な服装
倉庫は空調完備の現場も増えていますが、外気温に近い環境も依然として多く、季節の対策が非常に重要です。
【春・秋】動きやすさを重視した“薄手の重ね着”
気温変化が大きいため、「脱ぎ着しやすい服装」がベスト。
おすすめ
・長袖Tシャツ+薄手のパーカー(※フードなしが理想)
・ストレッチ素材のジャンパー
・温度調節できるベスト
ポイント
・暑くなりやすいので、重ね着しすぎるのはNG
・朝と夕方の温度差に備えて羽織り物を持参すると便利
【夏】最大の敵は“暑さ”と“汗”
倉庫内は熱気がこもりやすい環境もあり、夏場は特に厳しい季節です。
おすすめ
・吸汗速乾Tシャツ
・冷感素材のインナー
・通気性の良いワークパンツ
・メッシュタイプの安全靴
避けたい服
・綿100%の厚手Tシャツ(汗で重くなる)
・色の濃すぎる服(熱を吸収しやすい)
ポイント
・汗で体が冷えるため、冷房の効いた休憩室との温度差にも注意
・タオルや着替えを持参すると衛生的で快適
【冬】防寒対策は必須。ただし“動きやすさ”を損なわないことが大事
倉庫は冷えやすい構造のため、冬場はかなり寒くなることがあります。
おすすめ
・防寒インナー(ヒートテックなど)
・フリースジャケット(軽くて暖かい)
・中綿入りベスト(動きやすさ◎)
・薄手の防寒手袋
避けたい服
・モコモコしたジャンパー(動きにくい)
・ロングコート(作業に不向き)
ポイント
・靴下を重ね履きすると足先の冷えを防げる
・レッグウォーマーも効果的
■ 倉庫作業における“NGな服装・小物”一覧
安全性の観点から、以下の服装や小物はどの現場でも基本NGです。
● だぼだぼした服
→ 巻き込み・引っ掛かり事故の原因
● フード付きの服
→ フォークリフトや棚角に引っかかるリスク
● ハイヒール・サンダル・クロックス
→ 転倒事故・落下物による怪我の可能性
● アクセサリー
→ 指輪・ネックレス・ブレスレットは危険
(傷つけたり、荷物を破損させることも)
● 香水・強い柔軟剤の香り
→ 食品・医薬品を扱う倉庫では大きなNG
● スカート
→ 倉庫内では動きにくく、安全面でも不可
安全性を損なう服装は、派遣スタッフの場合は就業NGになることもあるため注意が必要です。
■ 派遣スタッフは“事前確認”が何より大事
倉庫ごとに服装ルールは微妙に異なります。
とくに派遣スタッフは現場が変わるケースも多いため、事前ヒアリングが非常に重要です。
確認すべきポイント
・安全靴は必要か?
・軍手は支給か持参か?
・ジーンズNGの現場か?
・半袖・短パンの可否
・上着の色指定はあるか?
・防寒着の種類は?
・アクセサリー禁止か?
派遣会社が事前に説明してくれるのが理想ですが、
自分から確認する姿勢があるとトラブルを避けられます。
■ まとめ:動きやすさ+安全性=倉庫作業に最適な服装
倉庫作業の服装選びは、
**「動きやすいか」「安全に作業できるか」**の2つが重要なポイントです。
■ 最適な服装のまとめ
・トップス:速乾性・ストレッチ性のある長袖シャツ
・パンツ:ストレッチ性のある作業ズボン
・靴:滑りにくく先芯入りの安全靴
・手袋:作業内容に合わせたグローブ
・季節対策:夏は冷感素材、冬は防寒インナー
さらに、
安全性を損なう服装はNG(特にフード付き、ゆるすぎる服、サンダル類)
という基本を押さえておけば、どの倉庫でも安心です。
