物流業界の2022年のトピックス
2022.12.19
2022年も残すところあと10日となりました。
今年も日本の物流業界にとって大きな出来事がありました。中でもロシアのウクライナ侵攻が及ぼす物流への影響が大きかったのではないでしょうか。
今回は、2022年に物流業界で起きた出来事を紹介していきたいと思います。
物流費の高騰による値上げ
昨年から値上がりの一途を辿っていた原油価格ですが、2022年に入っても以前として上昇傾向にあります。
新型コロナウイルスからの需要回復の影響により価格は高騰傾向にありましたが、
原油生産量世界第3位であるロシアによるウクライナへの侵攻が加わり原油価格の高騰に拍車をかけています。
原油価格・ガソリン価格が高騰したため、原材料費・物流費が値上がりし、食品、紙製品や調味料、家電など広範囲で価格の見直し・値上げが実施されました。
物流業界の市場規模が拡大
新型コロナウイルスの感染拡大により「おうち時間」や「不要不急の外出自粛の動き」が進み、今まではスーパーなどで購入していた日用品をインターネットで購入する人が増えました。
また、フリマアプリやハンドメイド商品の売買などを行うインターネットサービスがどんどん増え物流業界にも大きな影響を与えています。
インターネットを利用してどこにいても簡単にもののやりとりができるようになり、個人間でのやり取りが増加しています。
海上輸送・航空輸送に比べると、トラック運送の営業収入が多いことから小口配送が増えているといえるでしょう。
人材不足の深刻化
物流業界の市場規模は拡大していますが、慢性的な人材不足が課題となっています。
少子高齢化・生産年齢人口の減少などの社会問題も原因の一つとなっていますが、賃金や労働環境面への懸念からドライバーの担い手の減少も大きな要因といえます。
採用基準の見直しや福利厚生の充実などの労働環境の見直し、人材不足を補うための取り組みとしてAI技術やロボットを活用した作業効率化など物流業界で働く人を増やす取り組みを実施している企業も多く見られます。
国際物流の混乱
昨年末から今年にかけてマクドナルドのポテトが当面Sサイズになるというニュースがありましたが、原因はカナダ・バンクーバー港近郊の水害やコロナ禍による世界的な物流網の混乱によるものでした。
こちらでは、2022年の国際物流についてご紹介します。
・運賃の上昇と遅延
新型コロナウイルスの感染拡大によって人材不足となり、貨物の滞留・コンテナ不足の状況がありました。
落ち込んだ経済が回復傾向になり輸送量がふえたところに、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けコンテナ船運賃は過去最高水準となりました。
航空貨物も安全確保のためロシア上空を避けて飛行しており、輸送ルートを遠回りに変更すると輸送時間が増え、燃料費も余計にかかります。
輸送の遅延や運賃上昇への懸念は続いています。
・世界的なコンテナ不足
世界のコンテナ生産量の約98%を占めていた中国ですが、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大により工場の稼働率低下などの影響を受けコンテナ製造産量が減少しました。
落ち込んだ経済がいち早く回復した中国の輸入・輸出の増加、欧米各国の巣ごもり消費の増加の影響でコンテナの製造量と使用料のバランスが崩れ、コンテナが不足する状態が続いていました。
生産は急ピッチで進められていますが、需要に追いつくのにはまだまだ時間がかかりそうです。
・深刻な人員不足
新型コロナウイルスの感染拡大により、感染者・濃厚接触者が出勤できなくなったり、移民の方々が本国に帰らされてしまったり、ロックダウンによって労働者が他の仕事についてしまうということが頻発しました。
物流の需要は増え続けていますが、一度離れてたスタッフが物流業界に戻ってくるという確証もなく港湾作業員が足りずに作業が進まないため、港湾内には荷揚げしたコンテナが山積みとなり、コンテナ船が入港できないという悪循環に陥っています。
コロナウイルスの影響もありますが、遅延・価格の高騰・人手不足は元々課題となっていたため、コロナが収束してもすぐに正常化することは難しいでしょう。
まとめ
「物流の2024年問題」がピックアップされがちですが、2022年の物流業界もさまざまなニュースがありました。
物流の企業があるからこそ私たちの豊かな生活は成り立っています。
人材不足の深刻化が問題となっていますが、今後も拡大していくと予想される業界ですので労働環境の改善や作業効率化など、どんどん進化を続けていくでしょう。
弊社では2023年も引き続き、この場で物流に関する様々な情報をご提供していきますので、お時間のあるときにお読みいただけますと幸いです。