物流業界の給与相場とは?あなたの給与は妥当?
2025.04.07
物流業界は、日本の経済を支える「縁の下の力持ち」とも言える重要な産業です。
ECの普及やサプライチェーンの高度化に伴い、物流ニーズは年々高まっていますが
それに伴い人手不足や労働環境への関心も高まっています。
そんな中、「自分の給与は業界の中で妥当なのか?」と
疑問を抱く方も多いのではないでしょうか?
本コラムでは、物流業界における職種ごとの給与相場や、
地域差・経験年数による違い、給与を上げるためのヒントなどを詳しく解説します。
物流業界の主な職種とその給与相場
物流業界には様々な職種がありますが、
代表的なものとしては以下のような職種が挙げられます。
1. 倉庫作業スタッフ(仕分け・ピッキング・梱包)
未経験者・パート・アルバイトの場合
時給1,100円〜1,300円(関東圏)
正社員登用後
年収250万円〜350万円
ピッキングや仕分け、梱包などの軽作業は、比較的未経験からでも始めやすいのが特徴です。
特に繁忙期には時給が上がる傾向があります。
2. フォークリフトオペレーター
平均月給:22万円〜30万円
平均年収:300万円〜400万円程度
フォークリフト免許が必須となりますが、その分給与はやや高めに設定されています。
夜勤や交代制勤務がある現場では手当がつき、月給が35万円を超えるケースもあります。
3. 配送ドライバー(中型・大型)
中型ドライバー:月給25万円〜35万円
大型ドライバー:月給35万円〜45万円
長距離ドライバー:年収500万円以上も可能
荷物の種類や運行エリアによって大きく差が出ますが、
ドライバー職は他の職種に比べて給与水準が高めです。
逆に、労働時間や拘束時間の長さが問題視されることもあります。
4. 物流管理・現場責任者(リーダー・SV)
平均月給:28万円〜40万円
平均年収:400万円〜550万円
人員管理や進捗管理、業務改善など、より高度なマネジメントが求められるポジションです。
正社員としての採用が基本で、経験がモノを言う職種でもあります。
5. 物流企画・3PLコーディネーター
平均年収:400万円〜600万円以上
30代〜40代で700万円超もあり
ノンアセット型3PL企業などで、荷主との折衝やKPI設計、
プロジェクトマネジメントを担う職種です。
物流知識に加え、提案力や交渉力も必要とされる分、高収入が期待できます。
給与水準に影響する3つのポイント
1. 地域差(都市部と地方)
関東圏、特に東京・神奈川・千葉・埼玉のような首都圏では、
全国平均よりも10〜20%程度高い傾向があります。
人手不足が深刻な都市部では、時給や月給が高騰しやすいためです。
例:フォークリフトオペレーター
東京23区:時給1,500円前後
地方都市(例:福島県郡山市):時給1,200円前後
2. 経験とスキル
物流業界では、同じ職種でも経験年数や保有資格によって給与が大きく異なります。
以下のような資格やスキルは特に評価されやすいです。
フォークリフト運転技能講習修了証
運行管理者資格
衛生管理者
Excel・WMSなどのITスキル
3. 企業規模と雇用形態
大手物流企業や上場企業の物流子会社などは、
福利厚生も充実しており、ボーナスや昇給制度が明確です。
一方、派遣や契約社員は、時給が高めに設定されている代わりに、
賞与や昇給が限定的なことが多いです。
あなたの給与は妥当?簡単チェックリスト
以下のチェックリストに基づいて、
「自分の給与が業界水準と比べてどうか」を確認してみましょう。
チェック項目 内容 自分の状況
職種別平均と比較 同職種の相場と比較 ○/×
地域差を考慮 自分の地域の給与水準は? ○/×
経験・スキル 保有資格や経験年数は平均以上? ○/×
雇用形態 正社員か、それに準ずる待遇か? ○/×
昇給・賞与の有無 年1回以上の昇給機会がある? ○/×
○が多ければ、給与水準は「妥当」あるいは「良好」と言えるかもしれません。
×が多い場合、転職やキャリアアップを検討する時期かもしれません。
給与を上げるためにできること
1. 資格取得でスキルアップ
物流業界では「資格」がキャリアアップのカギになることが多いです。
以下の資格は特におすすめです。
フォークリフト(ほぼ必須)
運行管理者
ロジスティクス管理士(JILS)
通関士(国際物流志望者向け)
2. 派遣から正社員登用を狙う
派遣スタートでも、正社員登用制度を用意している企業も多くあります。
まずは現場で信頼を得て、タイミングを見て正社員への道を進みましょう。
3. 業界の動向を常にチェック
物流業界は、テクノロジーの進化と共に変化が激しい分野です。
ロボティクス、WMS、AIルート最適化などの知識を学び、
現場改善や提案ができる人材になると、価値が上がります。
まとめ:給与の妥当性は「業界相場 × 自分の価値」で決まる
物流業界は、他業界と比べても給与水準の幅が広い分、
「正しく評価される場所にいるか?」が非常に重要です。
業界の給与相場を知る
自分の市場価値を客観視する
キャリアアップのための行動を取る
これらの積み重ねが、将来的な収入アップに繋がります。
「自分の今の給与、ちょっと低いかも…?」と感じた方は、
まずは情報収集とスキルアップから始めてみましょう。
転職や社内での異動も、キャリアの選択肢として大いにアリです。