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EC拡大と物流改革:ノンアセット型3PLが果たす役割

EC拡大と物流改革:ノンアセット型3PLが果たす役割

2025.05.06

急拡大するEC市場と物流現場の逼迫

近年、電子商取引(EC)市場の拡大が止まりません。

特に新型コロナウイルス感染症拡大以降、

消費者の購買行動はオンラインへと急速にシフトし、日用品から家具、食品

さらには生鮮品まで、ECサイトで購入するのが当たり前の時代となりました。


経済産業省の発表によれば、BtoC EC市場規模は年々成長を続けており、

今後も右肩上がりの傾向が見込まれています。

これに伴い、物流現場では「即日配送」「翌日配送」など、

高度化する消費者ニーズへの対応が求められ、

従来の物流体制では対応しきれない課題が浮き彫りになってきました。


倉庫スペースの不足、ドライバー不足、現場の人材定着率の低さ、そしてコストの上昇。

これらはすべて、EC拡大の陰で物流業界が直面している現実です。

このような背景の中で、今改めて注目されているのが

「ノンアセット型3PL(サードパーティ・ロジスティクス)」の存在です。


ノンアセット型3PLとは?アセット型との違い

まずは、「ノンアセット型3PL」の定義を確認しておきましょう。


3PL(Third Party Logistics)とは、荷主企業が自社の物流業務を第三者である外部企業に委託するビジネスモデルです。

この3PLには大きく分けて「アセット型」と「ノンアセット型」の2種類があります。


アセット型3PL

自社で倉庫やトラック、作業員を保有し、それらの資源を活用して物流業務を提供する。


ノンアセット型3PL

自社で物理的資産を持たず、外部の物流業者や人材ネットワークを活用し、

最適な物流ソリューションを構築する。


ノンアセット型3PLは、設備投資に縛られず、

柔軟かつスピーディにサービス提供ができるという大きな利点があります。

特にEC業界のように需要が急変しやすい市場では、その柔軟性が非常に強みとなります。


ノンアセット型3PLが果たす5つの重要な役割

1. フレキシブルなリソース調整

ノンアセット型3PLは、パートナー企業とのネットワークを駆使して、

必要な時に必要なだけの人材や倉庫、配送車両を確保することができます。

季節要因やセール期における物流量の波にも、迅速に対応可能です。


2. 専門性の高い物流設計と改善提案

ノンアセット型3PLは、自社リソースに縛られないからこそ、

荷主企業にとって最適な物流フローをゼロベースで設計することができます。

業務プロセスの見直しや、システム導入による効率化など、

物流改革のコンサルティング的な役割も担っています。


3. コストの最適化

保有資産がない分、固定費が少なく、より低コストかつ可変性の高い提案が可能です。

需要変動に合わせてスケーラブルに運用できるため、

結果としてトータル物流コストの圧縮につながります。


4. 地域に根ざした柔軟な対応力

地域ごとに物流課題は異なります。たとえば、関東圏では道路渋滞や倉庫不足、

地方では人手不足や長距離輸送の課題があります。

ノンアセット型3PLは、地域の実情に合わせて複数の現場・業者を組み合わせ、

きめ細やかな対応が可能です。


5. 求職者とのマッチングによる人材活用

近年は、ノンアセット型3PLの中でも人材派遣や業務請負に強みを持つ企業が台頭しています。

特に物流現場の即戦力人材をタイムリーに供給できることで、

人手不足という深刻な課題の解決に貢献しています。


物流改革の鍵は「スピード」と「柔軟性」

EC市場の成長は、喜ばしいビジネスチャンスである一方、

物流の世界にとっては「常に変化に追われる時代」の幕開けでもあります。

注文数の変動、配送エリアの拡大、多様化する商品形態――これらに対応するには、

素早く、柔軟にリソースを動かす力が求められます。


ノンアセット型3PLは、その特性上「状況に応じた最適なソリューションを即座に提示・実行」できるという点で、これからの物流改革をリードしていく存在となるでしょう。


ノンアセット型3PLの導入事例:成功のカギ

実際に、あるアパレルEC企業では、

セール時期の物流パンクを防ぐためにノンアセット型3PLを導入。

繁忙期には一時的に人材を大量投入し、平常時には必要最低限の体制にすることで、

年間を通じたコスト削減と現場の安定化に成功しました。


このように、「必要な時に、必要な機能を、必要なだけ」利用できるのが、

ノンアセット型3PLの最大の魅力であり、物流改革を実現する具体的な手段なのです。


まとめ

ECの進化が止まらない今、物流体制を柔軟かつ効率的に見直すことは、事業成長のための必須条件です。

従来型の資産重視の物流から、ネットワーク型・柔軟対応型のノンアセット型3PLへとシフトする動きは、今後ますます加速していくでしょう。


物流の未来を見据える企業にとって、ノンアセット型3PLは単なる外注先ではなく、

「戦略的パートナー」としての存在意義を増しています。

物流改革を成功させるためには、信頼できるノンアセット型3PLと連携し、

ともに現場の課題に向き合う姿勢が何よりも重要です。