サステナブル物流!環境に配慮した最新トレンド
2025.03.03
近年、環境問題への関心が高まり、
物流業界にも持続可能な取り組みが求められています。
CO₂排出削減、エネルギー効率の向上、
資源の有効活用など、「サステナブル物流(Sustainable Logistics)」は
企業の競争力を高める重要な要素となっています。
本コラムでは、サステナブル物流の最新トレンドや、
企業が取り組むべきポイントについて詳しく解説します。
1. サステナブル物流とは?
サステナブル物流とは、環境負荷を最小限に抑えながら、
効率的な物流を実現する取り組みを指します。
具体的には、以下のような要素が含まれます。
CO₂排出量の削減(エコドライブ、EVトラックの導入など)
再生可能エネルギーの活用(太陽光発電・水素エネルギーなど)
資源の有効活用(パレット・コンテナのリユース、過剰包装の削減)
物流ネットワークの最適化(AIを活用した配送ルートの最適化)
持続可能な物流の実現は、企業の社会的責任(CSR)だけでなく、
コスト削減や業務効率の向上にもつながるため、多くの企業が注目しています。
2. サステナブル物流の最新トレンド
① EV・FCVトラックの普及
トラック輸送は物流の中心的な役割を担っていますが、
従来のディーゼル車はCO₂排出量が多いことが課題でした。
その解決策として、電気トラック(EV)や燃料電池トラック(FCV)の導入が進んでいます。
EVトラック(電気トラック)
走行時にCO₂を排出しない
充電インフラの整備が進めば長距離輸送も可能に
メンテナンスコストが低い
FCVトラック(燃料電池トラック)
水素を燃料とし、排出されるのは水のみ
充填時間が短く、長距離輸送にも適している
海外ではテスラやボルボ、日本ではトヨタ・日野自動車などが
次世代トラックの開発を進めており、今後の普及が期待されています。
② カーボンニュートラル倉庫
倉庫業務も環境負荷を軽減する動きが加速しています。
特に「カーボンニュートラル倉庫」の導入が注目されています。
太陽光発電や風力発電の活用
屋根に太陽光パネルを設置し、自家発電を行う
余剰電力を地域の電力網に供給する
LED照明・高効率空調の導入
電力消費量を抑え、省エネを実現
自動倉庫・ロボティクスの活用
人の移動を減らし、効率的な物流オペレーションを実現
これにより、エネルギーコストの削減と環境負荷の低減を同時に達成できます。
③ グリーン配送の推進
都市部ではラストワンマイル配送の環境負荷が問題視されています。
その解決策として、自転車配送・ドローン配送の導入が進んでいます。
自転車配送(カーゴバイク)
渋滞の影響を受けにくく、CO₂排出ゼロ
小型配送に適しており、ECサイトの宅配に活用
ドローン配送
遠隔地や山間部への配送が容易
CO₂排出を抑えつつ、迅速な配送が可能
Amazonや楽天などの企業がドローン配送の実証実験を進めており、
今後の実用化が期待されています。
④ AI・IoTを活用した物流最適化
AIやIoT技術を活用し、物流の効率化を図る企業が増えています。
AIを活用したルート最適化
渋滞や天候データを分析し、最適な配送ルートを提案
燃料消費を削減し、CO₂排出量を抑える
IoTを活用した在庫管理
センサーを活用し、リアルタイムで在庫状況を把握
無駄な輸送を削減し、環境負荷を低減
こうしたテクノロジーの進化により、
物流業務の効率化と環境負荷の軽減が同時に実現されています。
3. 企業が取り組むべきサステナブル物流の施策
企業がサステナブル物流を実現するために、以下の施策が考えられます。
① CO₂排出量の可視化と削減計画の策定
物流業務におけるCO₂排出量を測定し、具体的な削減目標を設定することが重要です。
例:**「2025年までにCO₂排出量を20%削減」**といったKPIを設定
CO₂排出量が少ない輸送手段へのシフト(鉄道輸送やEVトラックの活用)
② サプライチェーン全体での環境対策
物流部門だけでなく、サプライチェーン全体でサステナビリティを推進することが必要です。
取引先やパートナー企業と協力し、環境負荷を削減
エコマーク認証を取得した資材の使用(例:リサイクル可能なパッケージの導入)
③ 従業員への環境教育と意識向上
サステナブル物流の推進には、従業員の理解と協力が不可欠です。
エコドライブ研修の実施(燃費向上とCO₂削減を両立)
社内での環境意識向上キャンペーン(例:ペーパーレス化の促進)
4. まとめ
サステナブル物流は、環境保護だけでなく、
企業のコスト削減や効率化にもつながる重要な課題です。
EVトラックの普及、カーボンニュートラル倉庫の導入、
AI・IoTを活用した物流最適化など、最新トレンドを取り入れることで、
持続可能な物流の実現が可能になります。
今後も物流業界全体で環境負荷の低減に向けた取り組みが求められます。
企業としても、サステナビリティを意識した物流戦略を立て、
社会とともに成長していくことが重要です。