トラックドライバーの男女比について
2023.11.20
男性のお仕事と思われがちなトラックドライバーのお仕事。
最近ではトラックを運転している女性ドライバーを街で見かけたり、国土交通省が推進している「トラガール促進プロジェクト」という言葉を耳にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか?
では、実際にどれくらいの女性がトラックドライバーとして活躍しているのでしょうか?
今回はトラックドライバーの男女比や、女性ドライバーとして働くメリットについて解説していきます。
女性トラックドライバーの割合は3%未満
トラック産業は国内貨物輸送の4割強を担っており、約6万2千社の事業社、約188万人のトラック運転手がいるのに対し、女性ドライバーの割合は全体の2.5%にあたる4.7万人しかいません。
国土交通省の調査によると、全産業の女性就労者の割合が43%であるのに対して、
運送業の女性就労者は18%、トラックドライバーとなると3%を下回り、全産業と比較しても極めて低い状況と言えます。
※国土交通省:トラック運送業の現状について
平均月給は24万円〜30万円
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、運輸業界で働く女性の平均月給は約24万円とされています。
こちらの統計はあくまでも運輸業界で働く女性全体の平均ですので、事務職などの内勤で働く方の月給も含まれています。
トラックドライバーだけに絞り込めば24万円より高くなる可能性は高いでしょう。
男性トラックドライバーの平均月給は約30万円であるため、女性トラックドライバーの平均月給は24万円〜30万円の間と予想されます。
※令和4年賃金構造基本統計調査
女性トラックドライバーが活躍している会社とは
前述したとおり、運送会社は全国に約6万社あり、女性トラックドライバーは約4.7万人。
平均すると1.27社に1名のトラックドライバーが在籍していることになりますが、実際には、女性トラックドライバーが1名も在籍していねい運送会社がほとんどです。
では、女性トラックドライバーはどういった運送会社に在籍しているのでしょうか。
・柔軟な働き方ができる
女性トラックドライバーが多数活躍している運送会社は短時間勤務の対応や休暇を取得しやすい環境づくりなど、家事や子育てと両立しながら働ける環境が整っています。
企業によっては「日勤のみで働きたい」「夕方までの勤務希望」「学校行事には必ず参加したい」など、希望を聞いた上で採用を行っている所もあります。
・働きやすい設備・環境が整っている
女性専用のロッカーやトイレ、シャワールーム完備など、女性トラックドライバーが安心して勤務できるよう、設備の充実に力を入れている企業もあります。
また、作業着やトラックのデザインに女性ならではの意見を取り入れている企業もあります。
・重量物の持ち運びが少ない
筋肉や体力面では男性よりも女性の方が不利になってしまいます。
女性トラックドライバーが在籍している会社は重量物の取り扱いが少ない、トラックドライバーの中ではそこまできつくない仕事内容が多い傾向にあります。
基本的に「パレット積み・パレットおろし」で、重量物を持ち運ぶ手積み・手おろしがほとんどなく、あったとしても無理なく運べる重さのものになります。
・個人宅への配達が少ない
女性ひとりで個人宅へ配達に行くのは、防犯の観点で見ると避けた方がいいという理由から、女性トラックドライバーが多く在籍する運送会社では個人宅への配達を行っておらず、大型トラック・トレーラーを使った倉庫間輸送を行うパターンが多いイメージがあります。
『トラガール促進プロジェクト』とは
ドライバー業界では慢性的な労働力不足やドライバーの高齢化が深刻化している一方で、実際にトラックドライバーとして活躍している女性はごくわずかです。
そういった状況を打開するべく国土交通省が「トラガール促進プロジェクト」を推進しており、女性トラックドライバーを「トラガール」と名付け、女性がトラック運転手として働きやすい環境を構築するため、下記の様な取り組みをしています。
・未経験でも安心してスタートできる環境づくり
・免許取得のバックアップ
・女性も活躍しやすい労働環境の改善促進(運送道中におけるトイレの仕様や荷役作業時の省力化等)
・女性トラックドライバーの採用に関わるイベント開催
・全国の女性トラックドライバーの活躍の発信
女性トラックドライバー採用への取り組み
「女性トラックドライバーにもっと活躍してもらおう」という動きがある中で、下記のような取り組みを行っている企業もあります。
・ドライバー職の雰囲気を体感できる見学の実施
・託児所の設置や近隣保育所との連携
・子供の行事にはすべて参加できるに配慮
・ライフスタイルに合わせた配置転換
・女性ドライバーの意見交流の場の提供
・女性ドライバーの運ぶ荷物の重量制限 など
女性トラックドライバーを目指すなら会社選びが重要
時短勤務やシフトの配慮など、女性トラックドライバーが活躍している運送会社の取り組みはさまざまです。
必ずとは言えませんが、女性トラックドライバーが働きやすい環境がそれなりに整っている運送会社にはすでに多くの女性が働いているケースが多いです。
初めて女性トラックドライバーを雇用するとなると、女性ならではの悩みや要求をイチから相談して会社が改善するまでに時間がかかります。
すでに女性トラックドライバーが活躍している運送会社であれば、そういった問題点が改善された状態ですので、かなり働きやすい環境になっているといえるでしょう。
女性トラックドライバーを目指すなら、「女性社員がどれくらい活躍しているか」もチェックすることをおすすめします!
(※こちらのコラムは2023年11月現在の情報です。)