物流業界の基本用語「3PL」ってご存じ?導入する際のメリットもご紹介
2021.01.25
物流業界に身を置いている人であれば、一度は聞いたことがあるかもしれない「3PL」という物流業態。
ECやインターネットでの通販が当たり前になったこの時代に、この3PLはとても大事なものとなってきています。
ですが3PLについて、聞いたことはあっても中身などの詳細についてはイマイチ分かっていないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、この「3PL」の意味や導入する目的、メリット・デメリットをご紹介していきます。
●3PLって?
3PLとは、「サードパーティー・ロジスティクス」の略で、荷主でも運送会社でもない第3の物流業態を指します。
物流業界における、サードパーティー・ロジスティクスを含むその他「ファーストパーティー・ロジスティクス」と「セカンドパーティー・ロジスティクス」の関係性は下記の通りです。
ファーストパーティー:荷主(荷物を運んでほしいと頼む側)自身が物流業務を行うこと
セカンドパーティー:荷主が物流専門業者へ物流業務を部分的に委託すること
サードパーティー:荷主が物流専門業者へ物流業務をすべて委託すること
荷主が物流部門を持つとなると、トラックなどの車両維持費、荷物の保管場所である倉庫の維持費、人件費など多くの費用が重くのしかかってくることになります。
この重荷をなくすため、物流部門を丸ごと外部委託してしまおうというのが、この3PLの目的です。
この目的が達成できればコストダウンが可能となり、開発や生産など他の業務に費用を回すこともできます。
●3PL業者への業務委託の範囲
業者によって範囲は異なりますが、以下5つの業務を委託できます。
・入庫から倉庫での保管
・仕分け
・ピッキング
・梱包
・出荷
どこを一番強化したいのか?コストを抑えたいのか?など改善点を洗い出し、どこまで委託するのか考える必要があります。
●3PLを導入するメリット
・コストが削減できる
先述でも記載した通り、荷主自身が物流業務を行っている場合、倉庫や車両の維持費・人件費などをはじめとした固定費がかさんでしまいます。
しかし物流業務をすべて外部に任せることで、固定費は変動費となるため、荷物の量が少ない月はコストを抑えられますし、抑えた分を開発や生産など他の業務に回すことができます。
・生産性が向上する
委託することで、他の業務に力を注げるため、生産性の向上が見込めます。
効率的な改善方法の提案など、荷主と共に歩んでくれるような3PL業者を選ぶことができれば、さらに生産性は上がるでしょう。
・品質が向上する
3PL業者は物流業務のプロですので、現場で培われた独自のノウハウを持っているため、それを活かしてスムーズな納品を行なって時間短縮をしたり、ミスも少なく確実性の高い配送をすることができます。
また、業者の中には在庫管理も担ってくれるところがあるため、不良品や欠陥品などのいわゆる「不良在庫」の発生を極力減らすよう対応してくれます。
これにより、物流の品質は高い状態が保たれるため、結果的にその企業や実際に商品を使う人の満足へと繋がっていくでしょう。
・販路の拡大ができる
3PL業者に物流業務を任せたことでできた時間や費用などを、新商品の開発に充てるなど新たな販路開拓のために使うことができます。
ネットでの買い物が当たり前となったこの時代、ネット通販などを行っている企業は何としてでも生き残らなければいけません。
そのため、これまで取り組めなかった販路拡大へ挑戦できることは、大きなメリットになるでしょう。
●3PLを導入するデメリット
3PL業者に物流業務を丸投げしてしまうと、社外と連携が上手く取れず、運用管理が行き届かなくなるということがあります。
委託先の対応方針をしっかり知っておかないと、こういったことにもなりやすいです。
これが原因で、3PL導入に失敗したところも少なくないので、委託先のことをしっかり見極めたうえで導入しなければいけません。
●まとめ
3PLは、物流業務をすべて別の業者に委託することでコストの削減や生産性の向上が狙えるため、ネット通販の需要がますます高まるであろうこれからにとても必要となってくることがわかっていただけたかと思います。
かと言って、物流業務を丸投げしてしまうと、3PLのメリットを活かすことができません。
もし3PLを導入する場合は、1社ではなく必ず複数社の話を聞いて選ぶと良いでしょう。