物流の仕事をするなら知っておきたい「物流6大機能」とは?
2021.01.25
日々、ニュースなどで聞くことも多い「物流」という言葉。
インターネット通販の需要が年々高まっているため、様々な場所に物流倉庫が新たにオープンしたり、オープンに伴って荷物の仕分けやピッキングなどを担う軽作業スタッフなど、物流に関係する求人も増えてきたり…
その一方で、トラックのドライバーなどの人材不足も叫ばれたりなど、今かなり動いている業界とも言えるため、やはりメディアでも取り上げられることが増えました。
しかしこの「物流」という言葉を聞いた時、皆さんは「モノを運ぶこと」だけだと思っていませんか?
JIS(日本工業規格)では、物流とは「物資を供給者から需要者へ、時間的及び空間的に移動する過程の活動」と定義されてはいますが、実は物流の機能は「モノを運ぶこと」だけではありません。
生産者が商品を完成させたら、注文が入るまでの間「保管」しておく場所が必要ですし、消費者(モノを欲しいと思ってる人)に届けるためには、綺麗に「包装」することが必要です。
物流には、このようにいろんな機能が6つあって、この機能すべてが連携してこそ初めて、モノが届いているのです!
そこで今回は、物流のこの6つの機能それぞれについて説明していきます!
●物流6大機能とは?
「物流」という言葉から思い浮かぶことといえば、モノを運ぶトラック、商品を保管する広い倉庫などかと思いますが、これは物流という言葉が意味するほんの一部でしかありません。
物流の機能には大きく分けて6つあります。
①輸送・配送
②保管
③包装
④荷役
⑤流通加工
⑥情報処理
一つずつ解説しましょう。
①輸送・配送
そのモノを作った生産者から、実際に購入した消費者へ届ける役割を担う輸送と配送。
どちらもモノを届けるということに違いはないですが、意味が異なります。
輸送とは、トラックや鉄道、船、飛行機などを使い、商品を移動させることを言います。
例えば、中国の工場から日本の物流センターなど、モノを長距離移動させることが輸送です。
これに対して配送は、物流センターから消費者の家庭へ物を届ける近距離で小口の移動を指します。
もっと細かく言うと、物流センター内などの狭い範囲の中での移動は「運搬」と言います。
②保管
保管とは、倉庫などモノを品質・数量をしっかりと管理できる中で、ある期間預かり、留め置くことです。
生鮮食料品や冷凍食品などは、保管時に設定しなければならない温度範囲が品目ごとに決まっており、通常は常温・冷蔵・冷凍の3温度帯によって細かく管理されます。
③包装
モノを運ぶ時や保管時などにモノに傷がつかないよう、品質を維持したり保護したりするために適切な資材や容器などに包むなどして、商品を物理的なダメージから守ることを指します。
包装は、商品自体を包装する「個装」、個装された商品をまとめる「内装」、内装された商品をさらに段ボールなどで守る「外装」に分かれています。
同じような言葉として「梱包」がありますが、梱包は「包装よりも丈夫な荷造り」というような意味になります。
④荷役
荷役とは、飛行機や船、トラックなどの運送機器への積み込み作業や、荷下ろしのことを指します。
また、バックヤードへの入出荷、保管されている物品の出荷指示に基づいた取り出し(ピッキング)、仕分けなども含まれます。
⑤流通加工
物流センターなどで受け取ったモノに手を加え、付加価値を付ける作業がこの流通加工です。
商品そのものに手を加える「生産加工」や、商品そのものには手を加えず、値札をつけたりセット組をする「販促加工」の2つがあります。
運ばれてきたものをビンや箱など小分けにして詰めたり、野菜を食べやすい大きさに切ったり、食品を加工・梱包したりなど様々な業務があります。
⑥情報処理
商品が現在どこにあり、いつまでに所定の場所に届くのか?
この商品Aは物流センターに何個あり、次の入荷予定はいつなのか?
…などの受注から配送までの流れすべてをデータで管理して、正しく統括することがこの情報処理の役割です。
上述した5つの機能を効率化、高度化することを目的としています。
データ管理をするためのシステムは様々あり、配送・配車計画、運行管理、荷物追跡管理といった業務をサポートする「輸配送管理システム(TMS)」や、在庫管理、保管場所の管理、入荷・検品・ピッキング・出荷などの庫内作業をサポートする「倉庫管理システム(WMS)」などがあります。
●まとめ
モノを運ぶ運送会社、モノを保管する倉庫管理業者、物流の流れをシステムで管理する業者…物流業界には様々な役割を持つ事業者が関わっています。
モノの流れをスムーズに、かつ効率的にするためにはそれぞれの連携が非常に重要になってくるので、物流6大機能の概念をしっかり把握し、それぞれの機能についてしっかり理解しておきましょう。