倉庫の種類や機能とは?全8種類の倉庫と保管できる物品をご紹介
2021.02.08
生産者から消費者の元へ届くまでの間、保管場所として使用される「倉庫」。
しかし一口に倉庫と言っても、何でも保管できるわけではないことはご存知でしょうか?
実は保管部品によって、8種類もの倉庫を使い分けなければいけないのです。
今回は、その保管部品と8種類ある倉庫の種類や機能について
解説していきたいと思います!
●倉庫の種類や機能は倉庫業法によって分類
倉庫は、倉庫業法施行規則という法律で定められた施設設備基準によって、
8種類の区分に分けられています。
また、保管される物品についても、種類によって第一類から第八類に分類されています。
●保管される物品の分類
第一類物品:下記第二類~第八類以外の物品
第二類物品:麦、でん粉、ふすま、飼料、塩、野菜類、果実類、
水産物の乾品及び塩蔵品、皮革、肥料、鉄製品その他の金物製品、
セメント、石こう、白墨、わら工品、石綿及び石綿製品
第三類物品:板ガラス、ガラス管、ガラス器、陶磁器、タイル、ほうろう引容器、木炭、パテ、貝がら、海綿、農業用機械
その他素材及び用途がこれらに類する物品であっても、湿気または気温の変化により変質し難いもの
第四類物品:地金、銑鉄、鉄材、鉛管、鉛板、ケーブル、セメント製品、鉱物及び土石、
自動車及び車両(構造上主要部分が被覆されているものに限る)、木材(合板及び化粧材を除く)、
ドラム缶に入れた物品、空コンテナ・空ビン類、れんが、かわら類、
がい子・がい管類、土管類、くず鉄、くずガラス、古タイヤ類等野積で保管することが可能な物品
第五類物品:原木等水面において保管することが可能な物品
第六類物品:容器に入れていない粉状又は液状の物品
第七類物品:消防法(昭和23年法律第186号)第2条の危険物及び高圧ガス取締法(昭和26年法律第204号)第2条の高圧ガス
第八類物品:農畜産物の生鮮品及び凍結品等の加工品その他の摂氏10度以下の温度で保管することが適当な物品
●倉庫の種類
・1類倉庫
一番多目的に使用することができるのが、この1類倉庫です。
しかし、多目的に使用できる分、厳しい施設設備基準をクリアしなければなりません。
その他にも、国土交通大臣が定める防犯措置やネズミによる害などを防いだ設備を有している必要があります。
後に記述する2類~野積倉庫に保管する物品を、設備自体が基準を満たすことができず保管できないとなった時、この1類倉庫で保管します。
つまり、1類倉庫とは「ほとんどの物品を保管できる倉庫」であるといえます。
ただし、粉状・液状の物品、危険物・高圧ガス、摂氏10度以下で保管しなければいけないものは保管できません。
主な保管品:日用品や繊維、紙・パルプ、電気機械など
・2類倉庫
1類倉庫の施設設備基準から、耐火性・防火性を除いたものが2類倉庫です。
燃えやすいものなどは保管できません。
主な保管品:麦やでんぷん、飼料、塩、肥料、セメントなどの第2類~第5類物品
・3類倉庫
1類倉庫の施設設備基準から、防水・防湿性能、遮熱措置・耐火性・防火性を除いたものが3類倉庫です。
濡れたり湿っても大丈夫なものしか保管できません。
主な保管品:ガラス製品・陶磁器類・鉄材・農業用機械などの第3類~第5類物品
・野積(のづみ)倉庫
野積倉庫とは、柵や堀などで囲った土地で保管できる倉庫のことを言います。
その他にも、防犯上有効な設備や保管物が屋上から落ちてこないよう対応しているかどうかも求められます。
雨風や日光などによって影響を受けてしまうものは保管できません。
主な保管品:雨・風・日光の影響を受けない原材料やレンガ・セメント製品・木材・
地金・ケーブル・自動車・廃タイヤなどの第4類~第5類物品
・水面倉庫
読んで字のごとく、川などの水面で保管する場所のことを言います。
水面で保管可能なものしか無理なので、保管できるものが非常に限られています。
主な保管品:原木
・貯蔵槽倉庫
一般的に「サイロ」や「タンク」のことを指します。
防火性・防水性があり、消火器などの消火設備を設置することが施設設備基準となっています。
主な保管品:小麦・大麦などのバラ穀物、トウモロコシ・糖蜜などの液状物質
・危険品倉庫
これも読んで字のごとく、消防法が指定する危険物や高圧ガスなどを保管するための倉庫です。
取り扱うのが危険品だけあって、施設設備基準は厳しく、防湿・防火・防水性能があり、堀や柵などで防護し、防犯措置を備えていることが条件となります。
さらに、保管する物品の種類によって「消防法」、「高圧ガス保安法」、
「液化石油ガスの確保及び取引の適正化に関する法律」などの法律に適合させなければいけません。
・冷蔵倉庫
冷蔵倉庫は、冷蔵食品の他に「10℃以下で保管する必要がある物品」を保管するための倉庫です。
「冷蔵室の保管温度が常時摂氏十度以下に保たれるもの」であるか、
見やすい位置に温度計が設置されているかどうかなどが求められます。
主な保管品:生鮮品及び凍結品等の加工品などの第八類物品
●まとめ
倉庫に保管する物品は細かく分類されており、それぞれに合った倉庫に保管しなければいけません。
一番万能なのは1類倉庫なので、1類倉庫を作ればいいと考えがちですが、
その分クリアしなければならない条件が厳しくなっています。
それなら、今後取り扱うであろう品目を考えて作る方が良いでしょう。