物流事務の志望動機の書き方は?業務内容とその特徴についても併せて解説!
2024.06.24
ネット通販や宅配サービスの需要が年々増加していることから、物流業界では慢性的な人手不足が課題となっています。
このような状況の中で、注目されているのが物流事務という職種です。物流事務は、ドライバーだけでなく、物流サービスの円滑な運営を支える重要な役割を果たしています。
ですが、一般的な事務職とは異なり、物流業界特有の業務内容や求められるスキルについて十分に知られているわけではありません。
そこで今回は、物流事務の具体的な業務内容と、志望動機の書き方についてご紹介していきたいと思います。
物流事務とは、物流の流れを管理し、効率的な配送や倉庫管理を支援する仕事です。具体的には、出荷手配や輸送スケジュールの調整、在庫管理、顧客からの問い合わせ対応などが主な業務内容です。
志望動機を書く際には、自身のコミュニケーション能力や組織での協調性、そして物流業界に対する興味やその重要性について触れると良いでしょう。
これらの情報を参考にして、物流事務というキャリアに興味を持っている方々のお役に立てれば嬉しいです。
●物流事務とは?
物流事務とは、運送会社や物流センターで事務作業全般を担当する仕事です。一般企業での事務職とは異なり、多岐にわたる業務があり、典型的な物流事務の業務フローは以下の通りです。
①当日の入庫・出荷予定リストの確認
②入庫商品のデータ入力や伝票作成
③顧客やドライバーとの対応
④出荷商品のデータ入力や伝票作成
⑤管理データの処理や帳票出力、修正
⑥翌日の準備
注文が入ると、ピッキングリストを作成し、印刷します。運送会社や物流センターの規模によってリストの量は異なりますが、ルートごとに分けたり専用伝票を発行したりすることがあります。
入出庫の伝票は随時パソコンにデータを入力し、印刷された帳票をファイルにまとめていきます。また、請求書の発行や処理も行うことがあります。
一部の運送会社や物流センターでは総務部のような専門部署がないため、来客対応や電話・メール対応も兼任することがありますが、外部からの接触はまれで、社内の連絡を適切な人や部署に取次ぐことが主な仕事です。
さらに、物流事務の特徴的な仕事内容としては、ドライバーとのコミュニケーションが頻繁にあることが挙げられ、ドライバーにルートの指示や変更を伝え、業務が円滑に進むようにサポートします。
●物流事務の志望動機を書くポイント
①結論から書く
物流事務に限らずですが、志望動機を書く際は最初に結論を書くといいです。
例:
「私が御社を希望したのは、○○○○という理由です」
どうして物流事務の仕事をしようと思ったのか、その会社に入りたいと思った理由を文頭でしっかり伝えましょう。
文頭に結論を持っていくことで、その後も書きやすくなります。
②自分の経験を書く
物流事務の経験がない場合は、志望動機には必ず自分のこれまでの経験を盛り込みます。
実務経験はなくても、社会人経験を活かしてどう会社に貢献できるかなどを
アピールします。
具体的なエピソードを入れてアピールし、担当者に「この人なら頑張ってくれそうかな?」といったように、入社後がイメージできるように意識しましょう。
③自分のスキルを伝える
会社の規模などによりますが、物流事務はドライバーの対応や他部署の手伝い・メールや電話対応の兼任など、担当する業務の幅が広いです。
通常の事務に比べると業務が多岐にわたるため、臨機応変に対応できる力やスキルが必要となってきます。
また、タスクもたくさん抱えることが多いため、優先順位をつけて対応したり、
一つひとつの納期に間に合うよう逆算して業務を進めたりなど、高い処理能力も
求められます。
更に物流業界は、商品を運んでいる途中で渋滞や事故に巻き込まれたり、商品が壊れたりなど思いがけないトラブルやハプニングがつきものです。
そうなると、問題を解決するためにスケジュールを変更したり、関係者とすぐ連絡を取ったりなど、迅速な対応に追われることになります。
そういった場合でもパニックになることなく、冷静に判断して一つずつ的確に問題を解決していく能力が求められます。
そのため、PCスキルだけでなく物流事務の仕事において求められることにどこまで応えられるかが書けるといいでしょう。
●物流事務の志望動機のOK例文
例文①:未経験者
私は離島の出身なので、子どもの頃から輸送サービスのありがたみを感じて育ちました。
2020年の緊急事態宣言を受けて、私自身もECサイトを利用する機会が増え、
物流業界で働く皆様の頑張りに感銘を受けました。
物流事務の経験はありませんが、3年ほど百貨店で働いた経験があり、
そこで身につけたコミュニケーション能力を生かし、職場の方々と協力して仕事ができると考えます。
入社させていただいた際には周囲の方に素直に教えを乞いながら、より質の高い
サービスを提供できるよう、努力する所存です。
解説⇒実務経験はないけどなぜ物流業の事務がいいのか、今までの社会人経験を
どう活かせるのかがしっかり書かれています。
例文②:経験者
私はかつて大手物流企業で、事務を担当していました。しかしAIの導入に伴い、
サービスが画一化された印象を受けています。
私は物流業界とはモノを運ぶだけでなく、送る人・送られる人の思いも届けているものと考えています。
御社は地域密着型の物流会社であり、温かみのあるサービスに定評があるところに惹かれました。
御社に入社した際は顧客満足度の高いサービスを提供するため、得意の
パソコンスキルを生かし正確な事務処理を実践する所存です。
解説⇒いい内容です。なぜ物流事務がいいのか、その企業のどんなところがいいのか、自分のスキルをどう活かせるかなど、経験がある場合は未経験よりももう一歩踏み込んだ内容を書くともっとよくなるでしょう。
●物流事務の志望動機のNG例文
例①
私は以前、新潟の中越地震で停電になったとき、自宅に電池の買い置きがなくて
困った経験があります。
電気が復旧しても近所のスーパーやドラッグストアでは電池が品薄になっていたため、県外に住む親せきが送ってくれました。
私が暮らしていた地域は中でも通電するのが遅かったため、災害直後でも商品を
届けてくれた物流会社に好感を持ったのが志望理由です。
得意なパソコンを活かして、物流事務の仕事を頑張りたいと思っています。
解説⇒物流業界に興味を持ったきっかけは書かれていますが、その物流会社を選んだ理由が書かれていません。
エピソードはいいですが、自社に直接関わりがなければ担当者は興味を持たないでしょう。
例②
コロナの影響でより多くの人が、スーパーではなくECサイトで商品を購入するようになりました。
ECサイトの購入はとても便利ですが、物流会社の方たちの業務量は増えています。
感染リスクもゼロではない中、笑顔で配送してくださる方たちを支えたいと考え
志望いたしました。
解説⇒志望した理由はいいと思いますが、自分の強みや強みをどう活かすのかといったことが書かれていません。
強みやできることが分からないと、担当者は採用後の働くイメージが浮かばず、
採用の判断が難しくなってしまうでしょう。
●物流事務はどのような人におすすめ?
①コミュニケーションをとるのが得意な人
物流事務は、コミュニケーション能力に長けている人に向いています。
物流業界は、毎日何かしらトラブルが発生します。
事故や渋滞に巻き込まれたり、道路事情により配送に遅れが生じたりなどさまざまな出来事が起こります。
起きたトラブルを最小限におさえるためには、日ごろからドライバーなど業務に
関係する人すべてと密にコミュニケーションをとっておく必要があります。
普段から些細なことでも話していれば信頼関係が自然と築かれていくため、実際にトラブルが起きたときはお互い協力しながらスムーズに対応できるのです。
②一般事務の仕事に物足りなさを感じている人
事務仕事は覚えてしまえば淡々とこなせてしまうため、やりやすいものの物足りなさを感じる方もいます。
普通の事務仕事に飽きを感じている方は、物流事務に向いているでしょう。
物流事務の場合は、スピーディーかつ臨機応変な対応が求められることが
あります。
普通の事務仕事よりもトラブルや異なるパターンの仕事が入ってくる頻度は
多いため、刺激を感じながら働き方にはおすすめといえるでしょう。
③人と話す・接することが好きな人
物流事務は、一般事務よりも多くの人とコミュニケーションをとる機会が多くあります。
いろいろな人と話したい、人と関わりたいと考えている方には最適でしょう。
●まとめ
物流事務は一般事務よりも業務内容が多岐に渡り、臨機応変に対応できる力や
処理能力も求められます。
ですが、多くの役割を抱え、内容も難しいからこそやりがいが感じられる
仕事です。
もし未経験であっても、いきなり正社員としては難しくても、派遣社員であれば
始められる可能性もあります。
ライバルと差をつけられるような志望動機を書き、採用をつかみ取りましょう。