お鍋が美味しい季節に気になること!具材の流通状況やフードロスについて解説
2022.02.14
冬は、お鍋が美味しい季節ですよね。
時期になると、鍋に合う野菜などの具材やスープがたくさん売り出されます。
でもお鍋に使われる野菜などの具材って、その年によって売り出される量が
バラバラだったり、値段も違ったりします。
一体、どうしてなのでしょうか?
今回は、お鍋の具材の流通について詳しくお話いたします。
お鍋の具材の流通量は日々変動している
お鍋を楽しむ時期は、気温が下がって寒くなり始める10月後半ぐらいから。
この時期はスーパーに出かけると、必ず鍋のコーナーがあります。
何品もおかずを作る必要がなく、加えてスープの種類の豊富さから人気の料理
です。
そのため、具材のなかには早々に売り切れるものもあります。
特に野菜は気候や災害の影響であまり育てられずそもそも流通量が少なかったり、逆に多かったりなど年によってさまざまです。
地球温暖化の影響もあるのか野菜がなかなか育たなかったり、育っても
量が少なかったりすると値段も上がります。
農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況及び価格見通し(令和3年12月)のデータで、だいこん・にんじん・白菜・キャベツ・ほうれんそう・ねぎ・レタスが安値傾向となると見立てていました。
引用:野菜の生育状況及び価格見通し(令和3年12月)について
野菜の生育状況及び価格見通しとは、野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信するため、主産地、卸売会社、中間事業者などから聞き取りを行い、その結果を農林水産省ホームページに掲載しているというものです。
聞き取り・掲載は平成23年から始まっています。
なお、聞き取りを行った野菜の生育状況は、東京都中央卸売市場外において
流通するものについても同様の傾向です。
しかし1月28日に発表したデータによると、令和4年2月はにんじん(2月前半)・
白菜・ねぎが安値傾向となる見込みとのこと。
わずか2ヶ月で安く流通されるものの種類が変わっていますね。
普段なかなか実感しにくいかもしれませんが、安価で流通する野菜の種類は日々
変わっているのです。
フードロス削減のために流通量を考え、工夫を施す
野菜は不作続きだと当然値段が高くなりますが、高ければ消費者はなかなか買わないため、生産者は廃棄量のことを考えて少なめに流通します。
スーパーに並ぶ量が少なく、かつ価格が高いなどの野菜があるのは、こういった
理由が考えられるでしょう。
この「廃棄量」というのは今特に「フードロス」という言葉で注目されています。
フードロスとは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。
フードロスが起こる原因は、家庭内や外食での食べ残しやカビの発生などが
ありますが、もう一つ挙げられるのが「お店の売れ残り」です。
フードロスを少しでも削減するためには、流通量も調整しなくてはいけません。
また、収穫が遅れたり、肥料を多すぎたりしたことで大きくなりすぎた野菜なども、捨てられてしまうことが多いです。
こういった野菜は「規格外野菜」と呼ばれますが、もし規格外野菜を廃棄せずに
流通量を増やせば、その野菜自体の市場価値が下がってしまいます。
そのため、生産者は泣く泣く廃棄しているのです。
そこで昨年2021年12月に、三井アウトレットパーク 横浜ベイサイドで行われたのが「アウトレット鍋 フェスタ」です。
三井アウトレットパーク 横浜ベイサイドはこれまで、海洋保全活動や子ども向け
ワークショップなど、SDGsに関する活動を行ってきました。
アウトレット鍋フェスタもそのひとつで、規格外野菜や量・知名度の問題で
一般流通が難しい食材などを使って鍋料理を作り、お客様に販売するというものです。
大きすぎて流通させづらい野菜や、畑を荒らすため駆除されたシカの肉など、
普段なら捨てられてしまうものを使った「アウトレット鍋」を通じて、
楽しみながらフードロス問題を考えていけます。
流通量を考えることは普段から生産者たちが行っていることですが、工夫を施すという取り組みは、フードロス削減のためにももっと広がっていくといいですね。
【番外編】お鍋の具材といえば?
お鍋によく使われる具材の流通についてお話したところで、ここからは番外編。
お鍋の具材といえば?というテーマで、人気の具材をご紹介してきましょう。
①白菜
お鍋に入れる具材といえば、白菜はだいたい入れるのではないでしょうか。
くたくたに煮え、味もたくさん染み込んだ白菜は、冷えた体を温めてくれます。
煮立ってくたくたになったのはもちろん、できたてのシャキシャキ感も美味しいのが白菜の魅力です。
②ねぎ
長ねぎや玉ねぎもお鍋には欠かせません。
生だと苦いですが、煮込むとトロトロになって美味しくなります。
ぶつ切りにして一度フライパンで炒めて少し焦がしてから鍋に入れるのもいいですね。
③豆腐
ダシの旨味を吸った豆腐は美味しいですよね。
メインといえる具材ではないですが、鍋料理には欠かせない縁の下の力持ち的な
存在です。
④豚肉・鶏肉
野菜もいいですが、お鍋にはやはりお肉も欲しいところ。
豚バラ肉は油がありますが、鍋であればその脂が旨味に変わります。
鶏肉は肉類の中で一番ヘルシーのため、入れる方が多い傾向にあります。
どんな鍋にも相性がいい肉といえるでしょう。
⑤キャベツ
くたくたになるまで煮ると、甘みが出て美味しくなるのがキャベツです。
和風鍋でも洋風鍋でも合います。
⑥つみれ・肉団子
味が染み込みやすく、一口サイズのため食べやすく人気なのがつみれや肉団子
です。
つみれは、肉系・魚系・野菜系などさまざまな種類があるため、幅広く楽しめます。
まとめ
流通量などの変動がある。
値段を下げることもなかなか難しい。
それでも毎年変わらずスーパーにお鍋の具材が並んでいるのは、生産者を含め
多くの人が、無事消費者の手元に届くよう頑張ってくれているからです。
販売者も、何とかロスを出さないようタイムセールを行うなどして工夫しています。
私たちも無理のない範囲で具材を買い、美味しい鍋を楽しみましょう。