GWはやっぱり渋滞が起きる?GWの渋滞が物流に与える影響と抱える不安とは
2022.04.11
GWに入ると、渋滞ニュースをよく目にするようになりますよね。
2020年は新型コロナウイルスの影響でかなり渋滞が減ったものの、2年経った
今年は感染対策を意識しつつ外出や旅行をする方も増えてきているため、
GWにはまた渋滞のニュースが流れるかもしれません。
そこで気になるのが、GWの渋滞による物流への影響です。
大型連休により多くの人が車で出かけるようになることで、物流にはどのような
影響があるのでしょうか。
そもそもGWはなぜ渋滞が起きるのか?
GWの渋滞は、減速するためにブレーキを踏むことが原因のひとつと考えられます。
原因は「道路の利用者が増えるから」と思いがちですが、出口がふさがれている
わけではないですし、多少の混雑はあったとしても動かなくなるほどの渋滞になることは考えにくいのです。
渋滞の原因は、主に以下3つに分類できます。
・交通集中渋滞:交通量が道路の交通容量を超えることで発生する渋滞
・工事渋滞:工事を行うために道路を規制することで発生する渋滞
・事故渋滞:交通事故が原因で発生する渋滞
GWで多いのは「交通集中渋滞」だといわれています。
主な発生場所はトンネルの入り口付近やインターチェンジ合流付近、料金所など
車が減速する場所です。
1台が減速すると、後続車両も当然次々とブレーキをかけます。
後ろに続く車が多いほど減速の積み重ねも多くなっていくため、結果的に渋滞に
つながるのです。
サンデードライバーが増えることも原因に
サンデードライバーとは、文字通り日曜日(休日)ぐらいしか運転しない
ドライバーのことをいいます。
「運転機会が少なく技術も未熟なドライバー」という意味の例えです。
GWは「普段ほとんど運転しない人が運転をする」ということが増えるため、
交通事故が増加して事故渋滞が起こってしまうのです。
GWに渋滞が発生すると物流はどうなる?
GWに渋滞が発生すると、当然物流にも大きな影響が出ます。
車が動かなくなるため、荷物の届けに遅れが生じる可能性があるのです。
国土交通省が発表した平成31年の高速道路の交通状況ランキングによると、混雑により余計に時間が一番かかった高速道路が東名高速道路の海老名JCT~横浜町田が171.5時間で1位となっていました。
延長距離は、同じく東名高速道路の大井松田~御殿場の25.6kmが長いです。
平成31年(令和元年)は、天皇の即位などがあったことでGWが10連休となった年です。
各運送会社はこれだけの渋滞が発生し荷物到着が遅れることを予測しており、
一か月ほど前からGWの配送について遅れる可能性があることを伝えていました。
参考:ヤマト運輸/GW中の宅急便は通常通り、渋滞等で遅れる可能性も ─ 物流ニュースのLNEWS
また、到着日を遅らせたり、逆に早めに発送したりといった対応をすることを
勧めて、なるべくGWの渋滞による物流への影響を最小限にしようとする会社も
ありました。
緊急事態宣言が発令されていた2020年のGWでは、主要高速の交通量が前年に比べて7割減ったといわれていましたが、ワクチン接種が進んでいることもあり、
コロナ前ほどではないにしても今年は少し渋滞状況が戻ってくる可能性があります。
物流が遅れてしまうといったことが発生しないよう、物流業界は対策を講じなければならないでしょう。
GWなど長期連休において考えられる物流不安
GWなどの大型連休における物流不安には「物が届けられない」ことと「連休前後に配送が集中する」ことがあります。
「物が届けられないこと」は、荷主側が抱える不安です。
カレンダー通りに休日取得をしている物流会社を利用している場合、取引先などへ大事な荷物を届けることができなくなってしまいます。
打開策として、GW中だけヤマト運輸や佐川急便など連休関係なく動いている
運送会社に頼ろうとするでしょう。
しかし考えることは皆同じであるため、ヤマト運輸や佐川急便に荷物が集中する
ことは容易に想像できます。
キャパオーバーして配送を断られる可能性もあるでしょう。
「連休前後に配送が集中すること」は、配送側が抱える不安です。
GW中の遅延を考慮し、連休前にまとめて発送しようと考える荷主は多くいます。
そしてGW後は、GW前に発送できなかった分を解消すべく大量に発送しようとするでしょう。
物流業界は、トラックドライバーの不足が叫ばれています。
ほとんどの運送会社はギリギリの状態で日々業務を回しているため、GWの
数日前からGW後の数日間は過酷な労働を強いられることとなるでしょう。
まとめ
新型コロナウイルスがはやり始めてから2年が経ちました。
変異株による感染が広がってはいますが、ワクチン接種が進んでいることで収束の兆しが少し見え始めているようにも感じます。
行動の制限が緩和されることで人の動きも活発化しそうです。
とはいえ感染には気を付けたいと考え、大勢の人が利用する公共交通機関では
なく、車を利用しようとする人も増えるでしょう。
そうなると、2022年のGWは渋滞が発生することも考えられます。
しかしGWで混雑するからといって、物流を止めるわけにはいきません。
荷物を届けたい人・受け取りたい人のために、物流業界はさまざまな対策を
とりながらGW中も動き続けるのです。