配達ロボットについて解説!活躍場所は?導入する上でのメリット・デメリットは?
2022.06.06
物流業界では、配達ロボットの導入を検討している会社もあります。
しかし、どのようなメリットやデメリットがあるのか分からず悩んでいる担当者もいらっしゃるでしょう。
今回は配達ロボットについて、その活躍場所やメリット・デメリットを詳しく解説します。
配達ロボットとは?
配達ロボットとは、人間の代わりにロボットが荷物を注文者に届けてくれる
ロボットです。
配達ロボットにはカメラやセンサーが搭載されているため、障害物などがあっても感知してぶつからないように避けたり止まったりできます。
商品を傷つけることなく、注文者の手元まで届けることが可能です。
受け取り方は簡単です。
自動音声による電話での到着連絡が注文者宛にあった後、注文者が事前に分かっている暗証番号をロボットに入力することで商品が受け取れるようになっています。
配達ロボットはどこで活躍している?
配達ロボットは、現在エストニアやアメリカの一部州で法整備が進んでおり、
配達ロボットの歩道走行が認められています。
特にエストニアは、ITを行政に活用していることでも有名です。
「配達ロボットといえばエストニア」と言われるほど、IT技術が進んでいます。
具体例としては、エストニアで設立されたStarship Technologies社が作り上げた
宅配ロボット「Starship robot(スターシップロボット)」です。
配送口1個・重量20kgと小柄であるため、小さい荷物を運ぶのに役立ちます。
ただ、日本ではまだ配達ロボットは普及していません。
しかし、2019年の9月に「自動走行ロボットを活用した配送の実現に向けた
官民協議会」が設立され「海外では配達ロボットが実用化されている。だから国内でも早く進めよう」という趣旨の会議が行われました。
日本の企業でも、ロボットメーカーである宮崎県のHakobot社や東急リゾーツ&
ステイなどが積極的に技術開発を行っています。
自動運転技術の開発に力を入れている日本のテクノロジー会社「ZMP」は、
宅配ロボット「CarriRo Delivery(キャリロデリバリー)」を開発しています。
私有地内での実証実験も始めており、ゆくゆくは公道での実験の実現も目指すようです。
海外から大きく遅れを取ってはいるものの、日本国内でも配達ロボットの実用化に向けて準備を進めています。
配達ロボットのメリット
日本は配達ロボットの導入が遅れていますが、導入できれば大きなメリットが
待っています。
①人手不足の解消
配達ロボットを導入することで得られる大きいメリットは「人手不足が解消できること」です。
物流業界は人手不足が叫ばれています。
加えて、コロナの影響で在宅が増えたことでネット通販を利用する人も増え、
ドライバーの負担も増加しています。
負担が増えたことで退職する人も少なくないため、更に人手の確保が難しくなっているのが現状です。
しかし配達ロボットを導入すれば、配達に必要な人手を削減できるため、人手不足を解消できます。
ドライバー一人ひとりの負担も減らせられますし、離職率も下げられるでしょう。
②配送料の負担を削減
人手が足りないと、スタッフは残業せざるを得なくなります。
スタッフが残業すれば、会社側は残業した分を手当として支払わなくてはならないため、それだけ人件費が余分にかかります。
人件費を支払うためには、お金が必要です。
そのお金をまかなうための方法のひとつとして、会社側は「配送料の値上げ」を行います。
配送料の値上げは、消費者に大きく影響するでしょう。
しかし人手不足が解消されれば、人件費を削減できます。
人件費を削減できれば配送料の負担も削減できるため、消費者にとっては大きな
メリットとなるでしょう。
③排気ガスの削減
配達ロボットの多くは電気で走行するため、排気ガスは出ません。
排気ガスの大量排出は地球温暖化や大気汚染につながるため、配達ロボットを利用すれば排気ガスが削減でき、地球の環境を守ることもできます。
配達ロボットのデメリット
配達ロボットにはデメリットもあります。
①導入にコストがかかる
当然ながら、配達ロボットを導入するにはお金がかかります。
ロボットの購入費はもちろんのこと、維持費や修理費、点検費用など導入してからも維持のためにお金がかかるのです。
ロボット本体も含めすべての費用を事前に計算した上で、導入を考える必要が
あります。
また、補助金が出ることもあるため、どのような制度があるのか・そもそも制度を活用できるのかといったことも確認しなくてはいけません。
②荷物の到着に時間がかかる
配達ロボットは、トラックやバイクに比べると走行速度が遅めであるため、注文者に荷物が届くまで時間がかかってしまいます。
走行速度は、トラックやバイクなどであれば時速40~60㎞ですが、配達ロボットであれば時速5㎞前後と自転車よりも少し遅めです。
配達先が遠いほど時間がかかってしまうため、遠い距離の配達は現実的では
ありません。
もし配達ロボットを導入するのであれば、配達エリアを限定するなどの対策が必要です。
まとめ
配達ロボットは日本ではまだ普及していませんが、高齢化や少子化が進むことで
労働人口が減少しているため、普及すれば一気に市場が広がるかもしれません。
公道を走って、消費者のために大いに活躍するでしょう。
ぜひ配達ロボットの導入を迷われている方は、メリット・デメリットも把握した上で検討してみてください。