転職理由・退職理由の上手な伝え方
2023.09.04
転職活動の面接で採用担当者によく聞かれる質問の一つとして転職理由(退職理由)があります。転職理由(退職理由)は回答の内容によっては合否を左右する重要なポイントです。
今回は採用担当者が転職理由(退職理由)を聞く理由や、解答例についても解説していきますので、転職理由に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
採用担当者が転職理由(退職理由)を聞く理由
「なぜ転職しようと思いましたか?」「前職を辞めた理由は何ですか?」など、質問のされ方は様々ですが、転職活動の面接で採用担当者がチェックしたいのは「早期退職のリスク」と「自社とのマッチング」ということです。
・早期退職のリスク
退職理由が『人間関係』や『社内の雰囲気が合わない』など、どこの企業でも起こり得る内容であったり、退職理由が『残業の多さ』で、自社がもっと残業が発生してしまう職場であれば、採用担当者は「入社してもすぐに辞めてしまうのではないか」と不安に感じてしまいます。
・自社とのマッチング
転職理由から現職・前職での不満や不安が自社で解決できる内容かどうか、応募者が自社の社風に合っているか、仕事の取り組み方が自社とマッチしているかをチェックしています。
企業側は、自社に長く勤めて業績に貢献してほしいと考えています。
採用担当者の心理を踏まえ、転職理由(退職理由)を準備することが重要です。
面接で失敗しない転職理由(退職理由)の伝え方
面接時に採用担当者から「なぜ転職しようと思いましたか?」と質問された時にどのように回答すれば良いのでしょうか?
失敗しない転職理由の伝え方のポイントを紹介していきます。
・転職理由に嘘をつかない
採用担当者から高評価を得られるように、本音と全く違う転職理由にすると、さまざまな角度で質問された時に矛盾がでてしまうかもしれません。
そうなってしまうと「信用できない人」というマイナスの印象を与えてしまいます。
伝え方に気を付ける必要はありますが、転職理由は嘘をつかずに回答するようにしましょう。
・前向きな表現をする
転職活動をしている以上、採用担当者も現職・前職で不満や不安があったことは理解していますが、不満やマイナス発言ばかりする応募者には良い印象をもちません。面接で伝えるべき転職理由は「やりたい仕事」「実現したいキャリアプラン」です。
本音は現職・前職が嫌で転職する場合であっても「こうなりたいから転職を決意しました」など、前向きな表現をするようにしましょう。
また、回答した転職理由について厳しく指摘された場合も顔をしかめたり、自身なさげに振舞わないように心がけましょう。
・志望動機と一貫性を持たせる
前述したとおり、面接で伝えるべき転職理由は「やりたい仕事」「実現したいキャリアプラン」です。
志望動機は、応募先の企業で働きたいと思った理由のことを指しているため、転職理由と志望動機との一貫性がとても重要です。
この2つがちぐはぐだったり矛盾したりしていると、採用担当者に良い印象を与えることはありません。
転職理由を回答する時は、必ず志望動機とセットで回答するようにしましょう。
・状況と行動を具体的に伝える
転職理由について質問した時に「休みが少なかった」「お給料が少なかった」と不満だけを述べられても採用担当者は評価のしようがありません。
休みが少なかったことを伝えたいのであれば「〇ヵ月の間で△日しか休みがなかった」と具体的に伝えるようにしましょう。
また、現職・前職の状況だけを伝えるのではなく「状況を改善するために責任者に相談したが改善されなかった」など、自ら行動を起こしたエピソードなどがあれば内容に盛り込むようにしましょう。
転職理由の回答例
・労働時間が長い場合
前職では終電までの勤務と休日出勤が常態化しており、上司に改善も提案いたしましたが、変化を好まない会社の風土もあり、受け入れられませんでした。
社員の提案も良いものは積極的に受け入れる御社の環境にて、業績に貢献し、スキルと経験を磨く時間を確保したいと考え、転職を決意しました。
〈解説〉
残業や休日出勤が多いことを理由に転職したい場合は、「残業が多い」ことだけを伝えずに「会社の方針改善を試みたが、受け入れられなかった」ということを伝えるとともに、志望動機として「応募企業であれば、転職後に貢献していけると考えたこと」を伝えましょう。
・給料面に不満がある場合
前職では5年間営業職として毎年目標を達成していましたが、従業員へ報奨を与える制度などがなく、大幅な改善や昇格も見込めない状況だったため、転職を決意いたしました。
年齢に関わらず、成績に応じたインセンティブやポジションを得られる御社で、モチベーションを高くキャリアアップを実現したいと考えております。
〈解説〉
給料面での不満が転職理由である場合は、前職の批判やお金のことしか考えていないと捉えられないように注意が必要です。
例として「モチベーションを高くキャリアアップを実現したい」と前向きな志望動機を伝えるようにしています。
・職種を変えたい場合
現職では営業職として勤務しており、たくさんのお客様にヒアリングをして参りましたが、営業職の範囲でした対応できず、課題解決につなげられない現在の仕事に限界を感じ転職を決意いたしました。
未経験ではありますが、お客様のニーズを反映した商品を生み出し続けている御社で営業職として培った経験や知識をもとに商品企画に携わりたいと思い応募いたしました。
〈解説〉
キャリアチェンジや職種を変更する場合、応募企業に関連する経験やスキルがあることや、企業に貢献できるエピソードを伝えましょう。
まとめ
今回は転職理由・退職理由を聞かれる理由から、上手く回答する際のポイント・具体例について紹介しました。
退職理由がネガティブなものであっても、前向きな表現ではっきりと伝えることで採用担当者の印象は大きく変わります。
退職理由と志望動機を結びつけ、あなたのやる気と熱意をしっかり伝えましょう。