株式会社SHUUEIの採用情報サイトです。

物流ロボットってなに?メリットや今後の展望について解説

物流ロボットってなに?メリットや今後の展望について解説

2024.07.08

EC(電子商取引)市場の急速な成長に伴い、物流の効率化が企業の競争力を左右する重要な要素となっています。特に物流ロボットの導入は、効率化とコスト削減の大きなポテンシャルを秘めており、注目されています。


このコラムでは、物流ロボットの種類や導入によるメリット、そして将来の展望について詳しく解説します。物流業界における革新的な取り組みとして、どのように企業の競争力強化に寄与するかを考察していきます。


物流ロボットとは

物流における「ピッキング」や「仕分け」といった単純業務を自動化するためのロボットのことで、いくつかの種類が存在します。例えば、物を運搬する場合には搬送系ロボット、積み上げ作業にはパレタイズロボット、ピッキング作業には棚搬送(GTP)型ロボットや自律協働型ロボット、そして仕分け作業にはソーターロボットが活躍します。これらの技術は物流業界において、効率化と作業コストの削減を実現する重要な役割を果たしています。


物流ロボットの役割

物流ロボットは、産業用ロボットアームとは異なり、完全な自動化を目指すのではなく、人との協働をコンセプトにしています。例えば、自動車生産ラインで活躍するロボットアームは、大量かつ精密な作業を自律して行います。これは「完全無人化」と見なされます。


一方、EC市場の成長に伴い、個々の配送先に応じた商品の準備など「個配」が求められる状況では、細かな作業や判断を完全にロボットだけで行うのは難しい場合があります。そのため、物流ロボットでは人間が行うべき作業は人間が担い、ロボットが効果的に活用できる「探す」「移動する」などの作業や、工数削減が見込める作業を担当することで、効率化を図っています。


したがって、物流ロボットの役割は、単純な「人を無くす」ことではなく、人間と共に働くことで作業の省人化と省力化を実現することにあります。


物流ロボットの種類

AGV(自動搬送車)

自律的に指定された経路を走行し、倉庫内でのピッキング作業や棚からの商品取り出し・補充を行うために使用されるロボットです。

AMR(自律移動ロボット)

AGVと似ていますが、固定された経路を持たず、自律的に最適なルートを判断して移動します。これにより、より柔軟な動作が可能で、変動する環境にもスムーズに対応します。

ピッキングロボット

商品を棚から取り出してピッキングするロボットは、AIや機械学習を活用して物体認識や把持技術を進化させており、複雑なピッキング作業も実行できるようになっています。

ソーティングロボット

自動で商品を仕分けするロボットです。高速かつ正確に作業を行い、EC事業者が大量の注文を効率的に処理するのに役立ちます。


物流ロボット導入のメリット

例えば、自律協働型AMRという搬送型物流ロボットを導入した場合を考えてみましょう。従来のピッキング作業では

(1)作業員が商品のある棚まで歩いて移動し

(2)商品を探して取り出し

(3)梱包エリアへ運ぶ

という手順でした。

しかし、自律協働型AMRを導入することで、(1)と(3)の「歩く」という作業をほぼ物流ロボットが代替できます。その結果、作業員は(2)の作業に集中できるようになります。


こうした自動化により、作業の効率が格段に向上します。特に、手順が決まった定型業務においては、より大きな効果が期待できます。

また、ヒューマンエラーの削減も大きな利点です。物流ロボットの導入により作業の正確性が高まり、人間によるミスが減少します。これにより、ダブルチェックなどの体制による業務負担や人件費の増加も軽減されます。


さらに、物流ロボットは環境に応じた柔軟性と拡張性にも優れています。自動倉庫のように一度設置した後の変更が難しいという課題を解消し、作業量の変動や倉庫の移転などの変化にも迅速に対応可能です。このため、設備投資の回収後も長期間にわたって利用できる利点があります。

近年では、物流ロボットのサブスクリプションサービスであるRaaSモデルも登場しており、導入の障壁が低く環境変化にも柔軟に対応できる点も注目されています。


今後の展望について

物流ロボットの技術は急速に進化しており、今後ますます多様な用途に対応できるようになると予想され、特に以下の点が注目されています。


・AIとIoTの統合

ロボットが進化したAIとIoT連携により、リアルタイムでのデータ分析や最適化が可能になり、物流管理がさらに効率化されます。


・コラボレーティブロボット(コボット)

人と協働するロボットが増加し、人間の作業を補完する形での導入が進展することが予想されます。これにより、作業環境がより柔軟で効率的になるでしょう。


・持続可能な物流

持続可能な物流を実現するため、環境に配慮した物流ロボットの開発が進み、エネルギー効率が向上し、廃棄物削減が期待されています。


まとめ

物流業界では人手不足が深刻化しており、全自動化された物流システムへの期待が高まっています。物流ロボットの技術も進化し、倉庫内作業の全自動化が現実のものとなりつつあります。


例えば、中国では日本のベンチャー企業の技術を活用して、2018年2月から全自動化された物流センターが稼働しています。この技術は、商品の形状や位置を正確に認識しピックアップする新技術と、自動倉庫などの既存技術を組み合わせることで実現されています。


さらに、物流業界で特に課題とされている「ラストワンマイル」の自動化にも研究が進められています。出前ロボットやドローン、自動運転車などによる配達が研究され、大手通販業者などが積極的に取り組んでいます。ただし、このような自動化を実現するには法的な問題などの克服が必要ですが、早急に人手不足の解消に向けた全自動化の実現が求められています。